2015.5.1
「人間尊重の皆働社会を目指して。」
私は長く高齢者福祉に携わる仕事をしています。最近では、認知症高齢者や障害者の成年後見、そしてその周辺の民事法務が中心です。先日、第25代部長でもある内田達也歴代と、青年部や商工業について熱く語り合っていた際、ひとつの会社が話題にあがりました。
日本理化学工業株式会社
この会社は、社員の7割以上が知的障がい者だそうです。「日本でいちばん大切にしたい会社」(あさ出版)でも、日本理化学工業株式会社の理念と長年に渡る取り組みが紹介されています。
私自身の仕事でも深く繋がりはありますが、我々青年部員にも、障がいを抱える子供の親がいます。たとえ障がいを持っている人であっても、その人が持てる力を発揮して、この地域で暮らし続けることができる取り組みができないか、商工業者の団体として非常に興味を持ちました。
ということで4月22日、実際に会社を訪問して参りました!
御年85歳となる日本理化学工業株式会社の大山泰弘会長の講話を拝聴しました。障がい者雇用のきっかけと決意、一人ひとりの出来ることに合わせた工程の工夫、共感脳を充足させるための取り組みなど、会長のお人柄が伝わる素晴らしい講話でした。
そして実際に工場内も見学をさせていただきました。
見学会を開催して初の停電という珍事にも遭遇しましたが(笑)、皆さん元気よく挨拶をしてくださり、工程の各所にちりばめられた工夫を随所に見ることができました。
一見すると機械化した方が効率も良いかも知れませんが、「せめて一人でも多くの障がい者に働く場を提供できる会社で頑張ろう」という会長の決意を改めて実感すると共に、そこから新たな価値を生み出している素晴らしい会社であることを知ることが出来ました。
日本国憲法13条には幸福追求権、そして27条には勤労の権利及び義務が明記されています。そして全ての人には共感脳があり、人の役に立つ幸せを求めていると大山会長は説きます。みんなが人の役に立って幸せになるための「皆働社会」を目指し、これからも頑張っていきたいとのことでした。
地域の商工業の担い手でもある我々商工会青年部は、このような会社の取り組みから学ぶことや気付かされることが多いはずです。今回の素晴らしい出会いを今後どのような形で活かしていくか、青年部の仲間達と共に考えたいと思います。